枝折の径に花の萌ゆ

新人作家・中村汐里による雑記。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『殻割る音』後日談スピンオフSS『Dolce.ホイップの溶ける温度』

先日、ローカルテレビ局の番組で「おいしい小説大賞」の特集が組まれていたらしい。 報せを受け、おいしい小説大賞で「同期」と呼び合っている作家仲間の数人と企画を打ち出した。 「おいしい小説SSを募って、Twitterに投稿しよう」というものであった。 話…

沈丁花が終わった

近所に沈丁花を植えているお宅がある。 4月下旬の頃は、通りかかるといい香りがしていて心を和ませてもらっていた。 特に風のない深夜がよかった。行き交う通行人や車がほとんどない時間帯に、その場に立ち込める花の艶やかな香りを密かに楽しむのが好きだっ…

【日記】母の日は憂鬱

昼に起きたらダイニングのテーブルに一輪のカーネーションがあった。 冷蔵庫には大好物のプリンがあり、手紙のメモが貼りつけてあった。 干しておいた洗濯物が子どもたちによって取り込まれていて、次の洗濯を回して姉弟で干すのもやってくれた。 ありがたい…

「信用」と「信頼」の違いとは

小学4年生の息子に「信頼」と「信用」ってどう違うの? と訊かれた。 曲がりなりにも作家を名乗っている以上、そういった質問には颯爽と答えてやるのが理想なのだが、残念なことに私では確固たる答えを導けなかった。 なので子ども向けの国語辞典で調べても…

【終末戦争】きのことたけのこと、それを遠巻きに眺める者

人々はなぜ争うのか―― 令和の時代になっても争いは止まない。争うことでは解決しないと知りつつも、それでも声を上げずにいられない人間たちを私は何人も見てきた。 今回のテーマとして取り上げる「きのこたけのこ戦争」は、数ある争いの中でももっとも激し…

【美味】ソースと油と肉汁が染みた白飯を掻き込む幸せ

福井の『ヨーロッパ軒』は良い。 丼から溢れそうなカツを蓋に移してから食べるものらしい。シンプルながら飽きの来ないおいしさでぺろりと食べてしまえる。 ソースがどこかひと味違うと思ってはいるものの、その味の秘密には辿り着けていない。自宅でヨーロ…

【美味】果汁滴るアップルパイ!青森土産の『気になるリンゴ』が本当に気になる

ブログの継続を習慣化させないとすぐサボることがよくわかった。 毎日更新は大変だなぁと感じている。他人事では困るのだが。 ネタがないことには書けないので、ここ数日自分が書けそうな話について考えていた。 その結果、おいしかった食べものや飲みものの…